爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳

2011年9月25日()〜27日(月)

鹿島槍ヶ岳南峰から

爺ヶ岳  じいがたけ 2669.8m(中峰) 富山県、長野県 4名 大町温泉郷「薬師の湯」
布引山  ぬのびきさん 2683m
鹿島槍ヶ岳  かしまやりがたけ 2889.1m(南峰) 2842m(北峰)
最寄り駅  長野新幹線「長野」
バス  往き: 長野→扇沢
 帰り: 大町温泉郷→長野
タクシー  帰り: 扇沢→大町温泉郷
参考
歩行時間
 16時間20分
 1日目:4時間5分  2日目:6時間55分  3日目:5時間20分
参考
コースタイム
 1日目: 扇沢→15→柏原新道登山口→3:50→種池山荘
 2日目: 種池山荘→1:00→爺ヶ岳中峰→1:00→赤岩尾根分岐→10→冷池山荘→1:20→布引山→50→鹿島槍ヶ岳南峰→25→吊尾根分岐→15(北峰往復)→吊尾根分岐→25→鹿島槍ヶ岳南峰→40→布引山→50→冷池山荘
 3日目: 冷池山荘→10→赤岩尾根分岐→1:30→爺ヶ岳中峰→40→種池山荘→2:45→柏原新道登山口→15→扇沢
歩行時間  14時間45分
 1日目:3時間40分  2日目:6時間40分  3日目:4時間25分
コースタイム  1日目: 扇沢→3:40→種池山荘
 2日目: 種池山荘→50→爺ヶ岳南峰→20→爺ヶ岳中峰→55→赤岩尾根分岐→10→冷池山荘→1:05→布引岳→50→鹿島槍ヶ岳南峰→35→鹿島槍ヶ岳北峰→30→鹿島槍ヶ岳南峰→35→布引山→50→冷池山荘
 3日目: 冷池山荘→10→赤岩尾根分岐→1:20→爺ヶ岳南峰→30→種池山荘→2:25→扇沢



 1日目

 「五竜とか、鹿島槍とか、あの辺行きたいのよねぇ」
 ポロっと出た一言だったが、すぐに反応する人がいると話は早い。昨年の夏、ご家族で行ったもののガスで何にも見えなかったというHさん、リベンジに燃え、かなり積極的になり、計画はとんとん拍子に進んだ。

 天気は3日間とも晴天というわけにはいかないようだが、雨の確率は低い。
扇沢駅
 長野駅からの直通バスを扇沢で降りると、雲は多めだが、秋の青空が広がっている。
 身支度を整え、車道を戻って柏原新道の登山口へ向かう。
 ここで登山届を提出し、10時30分、さあ、出発だ。
柏原新道登山口
 柏原新道は、評判どおり歩きやすい道で、一部、ガラ場があるものの、他に危険なところはない。
 眼下に扇沢駅が見えるようになると、あっという間に高度を稼いだことを感じる。
 八ヶ岳の展望がいい八つ見や、ケルンなど開けた場所からは、鳴沢岳〜針ノ木岳方面に続く稜線もくっきり見える。

 そしてすぐに、稜線上に小さく種池山荘が見えるようになる。
登山道
稜線上に種池山荘が見える
 この時期、これといった花もないが、真っ赤な実をつけたゴゼンタチバナが目を引く。赤いナナカマドの実も見られるが、木々の紅葉はまだ先のようだ。
 バスを降りたときには涼しいと感じたが、歩いていると汗が噴き出てくる。
 手頃な場所を見つけてお昼休憩にする。ソロの女性が休んでいた。
ゴゼンタチバナ
 見えるようになってからも、なかなか着かない種池山荘。それでもだんだん近づいてその姿がいったん見えなくなるころ、天気が変わり始めた。
 青空はどこへ行ったのか、曇り空から途中、雨もポツリポツリ。
 すぐに止んで合羽を着ることもなかったが、種池山荘に着くころには、ガスが出て周囲の景色を覆い隠していた。
種池山荘
 14時を少し回ったところで、山荘前は大勢の登山者で賑わっていた。あと2時間で、次の小屋に行けるよ、と言われたが、初日の歩きはこれで十分。予定通り、宿泊手続きをすませ部屋に入る。6〜8人部屋に4人で寝られる。

 数日前の荒天の日、雪が舞ったというが、フリースにダウンを着ていてもまだ寒く、18時45分のTVの天気予報を見なくてはと言いながら、食事を済ませると、すぐに布団にもぐりこみ、7時前には眠りについた。
夕食






 2日目
 朝、カーテンを開けて窓の外を眺める。この瞬間、いつも期待にワクワクする。
 雲の多い空だがすっきりと澄んでいて、針ノ木岳とスバリ岳だろうか、陽が当たり始めている。

 山荘の前の斜面は一面のチングルマのお花畑で、今は淡いクリーム色の綿毛が広がっている。
針ノ木岳、スバリ岳
種池山荘から爺ヶ岳  種池山荘を後にし、爺ヶ岳に向かってゆっくりと歩き始める。
 ゴゼンタチバナの赤い実と、シラタマノキの白い実、リンドウの花も見られる。
シラタマノキ
種池山荘と剱岳
 少し行って振り返ると、種池山荘は小さいながらも稜線の真ん中にその存在を示し、さらにその後ろには、立山から剱岳の稜線が悠々と控えていた。

 爺ヶ岳南峰からはもちろん、ぐる〜っと一周の超展望。
 あ、槍も見える! えっ、あれは浅間山?

 いったん下って登り返し、三角点のある中峰へ。北峰は巻いて先に進む。
爺ケ岳南峰
冷池乗越付近の冷池山荘と鹿島槍ヶ岳
冷池乗越の道標  今にも崩れそうな崖の上に建つ冷池山荘が眼前に見えてくると、まもなく冷池乗越に着く。赤岩尾根の分岐で、やけに立派な石組みの道標がある。
 冷池山荘はここから10分ほどだ。
冷池山荘
 山荘前のベンチは、まだ濡れていた。少し休憩して先に進む。
 泊まりの山はいつも2日目になると体調がいいが、今回は足が重く、なかなか先に進めない。目の前の布引山がとても高く見える。
 これだけの景色が見えるし、鹿島槍もちゃんと見えるし、最悪、行かなくても布引山で引き返せばいいかな〜、などと弱気の虫も・・・。

 テント場を過ぎ、チングルマの群生地、遭難の碑を過ぎて、ハイマツの間の道を進み、緩やかに蛇行する登山道を布引山に向かう。
 ライチョウでもいたら元気が出るのにな〜、いないかな〜。
 _(・・ ))キョロ(( ・・)キョロッ

 やっと登った布引山の頂上で、頭痛薬を飲み、ふくらはぎに秘薬(?)を塗って、なんとか先に進む。

 鹿島槍まで行けるかな〜、南峰まででいっか〜。北峰は見るだけにしよう。
 先に進むHさん、Mさんに「南峰で待ってるからね〜」と声を掛ける。
鹿島槍ヶ岳への登り
 逃げ道ができると気が楽になったのか、歩き始めると、あら不思議、なんだか足が軽くなった。気がつくと前のふたりに追いついていた。秘薬が効いたのかな?

 鹿島槍ヶ岳南峰で、ゆっくりと眺望を楽しみ、不死鳥のように(笑)復活した私、「やっぱり行ってくるね〜」とKさんを南峰に残し、ザックを置いて3人で北峰に向かう。
鹿島槍ヶ岳南峰
 岩を下り、ザレた吊尾根を渡り、五竜岳方面への道を分け、北峰に登る。すぐ前に見えていた北峰だが、意外に遠く、南峰のてっぺんに立つのが、Kさんなのか標識なのかの区別もつかない。(>_<)

 眼下には五竜岳に続くキレットが延び、キレット小屋が小さく見える。
 南峰では、針ノ木岳から白馬岳まで縦走するという男性にあったが、この北峰では、逆のコースの男性2人に会う。このうちの一人、有給をこの縦走に使い果たすという若い男性には、翌日も前後することとなり、種池山荘では、ライターを寄付することになる。暖かいものを食べて、元気で完歩してね。(^^)

 「年寄りにはキツイ」と言いながら登ってきた男性も、今日、扇沢から入りキレット小屋まで行くという。みな、健脚だ。
鹿島槍ヶ岳北峰へ
 白馬岳は行った、今回、鹿島槍ヶ岳に来た。不帰嶮と八峰キレットを省略して、あとは、針ノ木岳と五竜・唐松岳に行って、この縦走路を私達風に繋げようと、Hさんと決意した(笑)。 鹿島槍ヶ岳北峰
 冷池山荘に戻り、一足先に帰ったKさんと合流。宿泊手続きを済ませ、談話室でストーブのそばに陣取り、ご褒美の生ビールで乾杯のKさん、Hさんに、お菓子onlyで付き合う。(^_^;)
 1泊2日のソロの女性や、下山後またすぐに空木岳に登るという70過ぎの男性と、山談義で盛り上がった。
冷池山荘

 山小屋の東側はベンチが置かれた展望台になっている。
 真っ白なガスで景色は全く見えなくなったが、背後からは薄日が射している。ブロッケンが見られるのはこんな条件の時だったのでは。
 誰もいない展望台に上がり、一人うろうろとしていると、前方にふわっと丸い影が見える。右へ動けば右へ、左へ動けば左へとその影も動いて付いてくる。幸運の印、ブロッケンに間違いないとお墨付きをもらった。粘った甲斐があった。ヾ(〃^∇^)ノわぁい♪
 このすぐあと、Mさんがやってきたときには、太陽が雲に隠れ、ブロッケンは見られなくなってしまった。
ブロッケン
夕焼け   夕焼け

 やがて夕暮れ時となり、燃えるような空、ピンク色に染まった雲を、寒さを忘れてじっくり眺めた。
 夕食を終えるとすぐに布団にもぐりこみ、この夜も消灯時間の8時15分よりはるかに早く寝入ってしまったようだ。






3日目


 この日は、朝食はとらずお弁当にして5時半には小屋を出る。冷池乗越辺りに差しかかるころには、空も少しずつ明るくなって、ヘッドランプの明かりもいらなくなった。
 雲が多く、朝日の姿を隠しているが、周囲はオレンジ色に染まり始め、雲海の間に、浮島のように頭を出した山々が見える。
朝、カメラを構える登山者
 赤く色付いた葉っぱに霜が降り、だんだん高くなる太陽は、周囲の山々を暗い眠りから目覚めさせ、明るい舞台に引き上げる。一瞬、詩人になれる気分だ(笑)。

 昨日も登ったが、爺ヶ岳南峰の頂上にもう一度立つ。
 シフォンのベールのような薄い雲の帯は、まるで水芸の水のように、あちらこちらに向かって伸びたりうねったり踊ったり・・・。
霜が下りた
爺ヶ岳南峰から雲のマジック
雲が踊る
種池山荘から虹のような形の雲
 そろそろお腹も空いてきた。爺ヶ岳山頂で雄大な眺めをおかずに朝御飯としたかったが、風が冷たく、種池山荘までお預けになった。
 山荘に向かって下りて行くとライチョウを探してハイマツの道をカメラを持ってゆっくりと登ってくるご夫妻がいた。
 今回は、景色は申し分なく満喫することができたが、残念ながら、ライチョウには会えなかった。


 風が冷たい山荘前のベンチで、お味噌汁と4色弁当の朝御飯にする。 種池山荘も冷池山荘も経営者が同じということで、食事は同じようなものが出されたが、お弁当も全く同じだ。すし飯に、卵とでんぶ、かんぴょう、ひじきが乗っている。


 鳴沢岳から針ノ木岳へ続く稜線を今度は右手に見ながら、扇沢に下る。 途中、鹿島槍を日帰りするという男性に会う。「2時間で種池山荘まで行かないと日帰り難しいんだよ、もう4回やったけどね。今日はちょっと遅い、2時間5分だな〜」と言いながらも、「ライチョウいた? この天気じゃいないか。でもよく探すと結構いるんだよ」などと、話を続ける。
 あの〜、5分どころか10分オーバーになっちゃいますよ。急いで行かれたほうがいいのでは・・・。(^_^;)


 快調なペースで扇沢へ下ると、タクシーで「薬師の湯」に向かう。3日分の汗をすっきり流して帰宅となった。極楽極楽!
種池山荘前のチングルマのお花畑
4色弁当

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